劇団空晴を見てると、嫌いなタイプの人ってのは出てこない。
みんなそれぞれみんなのことを考えてて、すごく一生懸命だったりする。
それが不器用だったりすることも多いけど、それがなんだか愛らしい。
今回も、そんな空晴の芝居だろうなぁと思っていたのだけど、
見始めると、もうこれが、もうめんどくさいのよ、女ってやつが。
“自分が傷ついてる”ってことを気づいてくれないって、夫を責めたりする。
うわー、めんどくさー、この女、めんどくさーってのが一番の感想だった。
それに、誰に対しても、”どうせわかってくれない”と関わろうとしない。
それが夫でも、弟でも、誰でも。
自分がいままで傷ついてきたことも、さらけ出すことができない。
一人でむくれて、一人で傷ついていくのだ。
もう、はたからみてるとめんどくさい事この上ない女なのだ。
この女性を中心に、いろんな優しい人々があたふたしているのだけど、
さらに、いろんな誤解や嘘なんかがぐちゃぐちゃして、めっちゃ面白い。
だけど、そんなめんどくさい女を見ているウチに、
よく考えたら、私の内面もこういうところ、あるなぁ・・・と気づいた。
もう、めんどくさい事この上ないし、
はたからみててもカッコイイ女なんかじゃない。
それでも、心の奥には、すごく脆い部分があって、そこが悲鳴を上げてる。
ただのイヤな”自己中女”なんかでは絶対ないのだ。
話が進んでいくにつれて、そういう脆い部分がだんだん出てくるからこそ、
はじめは”うわー、めんどくさー”と思っていても、
だんだん愛おしくなってきた。
これって、脚本の力もあるだろうけど、役者さんの力もかなりあると思う。
演じてる楠見さんがあってこその、この話だったんじゃないかな、と思えた。
芝居を見て、ほっこりした後は、
前回公演のDVDを買って、家に帰ってから晩ごはんを食べた。
はー、今回の空晴も面白かった。
次回は来年3月らしい。また楽しみだわ。
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