作・演出のTさんの芝居は、風刺が効いてるというか、
社会の問題をとらえたような考えさせられる芝居なんだけど、
そんな性格はおさえつつ、
前回ぐらいから結構雰囲気が変わってきている。
一番びっくりしたのは、歌うこと。
前回公演でも結構歌っていたけど、
今回の舞台でも、より一層歌ってて、ダンスのないミュージカルだった。
といっても、声楽的な歌い方ではなく、
せりふをしゃべるような歌い方で、歌詞もせりふに近い感じ。
せりふに音楽をつけたような感じなんだよね。だから、観てても楽しい。
今回のテーマは、人間と家畜(経済動物)。
口蹄疫や鳥インフルエンザなんかで隔離される動物たちと
その動物を監視する一人の人間が繰り広げるストーリー。
登場人物が一人以外は全員牛か、鶏。
牛さんたちは、みんなジーンズをはいてて、普通のかっこいいオサレな服装。
鶏さんたちも、同じ感じで、普通に繁華街を歩いている人たちみたい。
普通に喋るし、普通の動きだしさ。
しかし、おもしろい発想だよねぇ~。
さらに、鶏さんたちは全員韓国人のひとたちなので、韓国語でしゃべる。
せりふも、日本語と韓国語、英語なんかが混じっててすげーおもしろい!
もちろん言語が違うので、それぞれの話したことは通じないんだけど、
通訳できる人(牛?)がいて、通訳してくれたり、
ボディランゲージで話したりする。
動物なのに、観ているうちに人間たちの話だと思えるし、
といっても、動物に対する人間の話とも思えるし、
人間というもの、動物というもの、言葉の通じない人たち。
いろんな人たちが繰り広げるストーリーは本当に面白かった。
そして、舞台の人たちがみんな、すごく楽しそうだった。
ただ、ちょっとカミカミなところがあったからか、
テンポがずれるところがちょこちょこあって、
たまに、ちょっと入りきれないところもあったかなぁ・・・。
ま、おもしろかったんで、よしとしよう。
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