“内田百閒”って、知らなかったんだけど、
パンフレットに書かれていた作・演出の大竹野さんの言葉によると、
“夢のなかみたいな不思議な小説を書く”とか、
“起承転結ではなくて、起承承承・・・というふうにいきなり終わる”とか、
書かれていて、”まるで夢を見ているみたいだ”と書いてあった。
確かに、夢って、起承転結はめちゃくちゃだし、オチもないし、
時間も、場所も、移動も関係なくめちゃくちゃで、いきなり終わる。
だから、この舞台もそういう感じに作ったと、書いてあった。
舞台を見てみると、本当にそんな感じで、
不思議な話が次々展開されていって、それらがつながってるようで、
だけど、なんだか混ざり合ってぐちゃぐちゃしている感じ。
本当に夢の中にいるみたいな、不思議な感覚を味わった。
それに、内田百閒自体が、明治末~私が生まれる前までに生きていた人で、
そんな人が描いた作品なので、もちろん、言葉づかいも時代も古い。
出てくる登場人物も”昔の人”というかんじだった。
昭和初期とかの時代に生きていた人って、すごく言葉がきれいなんだよね。
あの時代の話し方って、上品でやわらかくて、私は好きだ。
そんな言葉に囲まれていると、自分自身もその時代に迷い込んだ感じになる。
舞台って、こっちは観てるだけなのに、
聞こえる言葉と雰囲気が違うだけで、その時代に迷い込むよね。
だから、よけいに”夢に迷い込んだ”という感じがしたのかもしれない。
作・演出の大竹野正典さんがお亡くなりになって、
もう大竹野さんの作品は観れないのかもしれないと思っていたけれど、
再演してくれて本当によかった。観れてよかった。
まだ、追悼公演は作品と時期、場所を変えて第二弾、第三弾と続く。
時間が合えば、観に行きたいなぁ!
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