NODA・MAPって、ほとんどツアーをしてくれない。
昔は大阪にも来てたのに、東京芸術劇場の芸術監督になった頃からは、
特に、東京芸術劇場だけでしか公演をしないことが多くなった。
# ま、それで、前回は東京まで観に行ったわけだけども。
それが、かなり久しぶりに大阪にも来てくれる番外公演をするという。
そりゃ行かなきゃアカンやろ!ってんで、チケットを取ったのだった。
もちろん、前回一緒に東京に行ったF嬢と一緒に行くことにした。
場所は、OBPにある円形ホールだった。
結構小さい劇場・・・だよね。野田をやるには、かなり小さいと思う。
だって、普段の公演は東京芸術劇場の大ホールなんだもん。
実際に入ってみると、やっぱり小さくて、客席は500席もなかったと思う。
階段状の客席で、ちょっと上手よりだったけど、かなり観やすかった!
前の人達にじゃまされることもなく、しっかり舞台を見ることができた。
知らなかったんだけど、今回の話には原作があるらしい。
筒井康隆の「毟りあい」という短篇集らしい。
毟(むし)=虫(むし)=蜂(BEE)、ってかんじで、かけたのかな。
舞台はベージュの背景と床でアクティングエリアが決められていて、
ちょっとイッセー尾形的な、大きな舞台を小さくしている感じだ。
今回は4人芝居だからだろうなぁ。
しかも、アクティングエリアを表していたのが、布や板じゃなくて紙だった。
その紙を破いたり、紙に映像を写したりしながら進んでいく。
ゴムやロールをうまく使っていたり、鉛筆を使っていたりして、
実際のモノじゃないモノで、残虐さを表現しているのも、面白かった。
ストーリーは、かなり怖かった。
人間って、怖い・・・理性がどんなきっかけで外れるかなんてわからない。
ただ普通のサラリーマンだった人が、どんどん残虐になっていく。
残虐になるきっかけは、復讐だとか報復だったのかもしれないけれど、
そんな表向きな理由だけではない”人間の怖さ”が見えた気がした。
短篇集、というだけあって、時間は1時間ちょっとしかなかったけれど、
その短さの中に、人間の怖さがでてて、いやー、怖かったなぁ。
私だって、いつどんなきっかけで、変わるかわからない。
凶悪事件をおこすかどうか、というわけじゃなくても、
理性を保てないなにかが、いつ起こっても不思議じゃないという気がする。
ふとしたきっかけで転落していく人生も、他人ごとじゃないかもしれない。
そう思うと、かなり怖かった。
相変わらず、野田さんは野田さんで、すごさを実感したけれど、
宮沢りえも美人だったし、スタイルめっちゃ良かったし、
近藤良平も、さすがパフォーマーというだけあって、
身体能力はかなりありそうだった。思ってたよりも、結構よかった。
ま、池田成志も、成志さんらしくて、おかしかったけどね( ̄ー ̄)ニヤリッ
いやー、なんかすごいもん見たなぁ、というカンジ。面白かった!
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