この間、ふらふらとネットを見ていて、
ラックシステムの公演があったのを見つけた。
・・・そういえば、このチラシ、どっかの公演で見たよ・・・。
ラックシステムといえば、わかぎゑふが主宰する劇団。
大阪のちょっと古い時代を描く、レトロな芝居が持ち味の団体だ。
“お”が付くシリーズで、「お正月」とか「お見合い」とか。
私は、「お正月」と「お見合い」と「お祝い」と「お願い」を観た。
個人的には、今まで観た中では、「お正月」がお気に入りだけど、
ストーリー的には、「お祝い」も結構いい話だった。
で、今回は久しぶりの新作、「お弔い」だった。
・・・なんか、今世間をにぎわしてる「おくりびと」っぽいのかと思ったけど、
全然違う話で、まぁまぁ面白かった。
とある女性が交通事故で亡くなったので、
身寄りのないその女性の部屋を片付けにやってくる。
片付けにきたのは、女性が勤めていた会社の社員と大学生。
といっても、二人ともその女性とは面識がないのだ。
たいした遺品もなく、ただの寂しいオバサンの一人暮らしかと思っていたら、
狭い部屋の一角に隠し部屋が見つかって、
その部屋には、戦前の中国のスターで、戦後、失踪してしまっている女優の、
衣装や写真がどっさりと飾られていたのだ。
・・・その死んだ女性と、失踪している女優の関係はなんなのか、
それとも、その死んだ女性が、失踪していた女優だったのか・・・。
そんな憶測が飛び交っていく、ストーリーだった。
・・・なんだか、”嫌われ松子の一生”と、”李香蘭”を足して2で割ったかんじ。
いろんな要素が混じり合ってるカンジだね。
みんな、すごくいい役者さんたちで、もちろんうまいし、話も悪くないんだけど、
なんだか、よく見たような話という感覚がちょっとぬぐえなかったなぁ。
時代は、戦後10年目の、昭和30年頃で。
まだ大人たちにも子供たちにも、戦争の記憶が残っている時代。
戦争の記憶を持ちながら、戦後生きている人たちの話だ。
リアリティがないワケじゃないけど、ちょっと弱いカンジがしたかな。
でもまあ、面白かったから、満足した。うん。