仕事終わりに、ウイングフィールドへ。
燐光群の「宇宙みそ汁/無秩序の小さな水のコメディー」を観に来た。
燐光群という名前はよく聞いていたけれど、観るのは初めて!
受付を済ませると、まだ開場前だったからか整理番号は11番。
ちょっと待ったら開場して、前よりの中央席をゲットできた。
燐光群の大阪公演もいい機会だったし、見たかった劇団だったけど、
なんといってもタイトルに惹かれた。「宇宙みそ汁」なんだもの。
「みそ汁の宇宙」じゃなく「宇宙みそ汁」。
「みそ汁の宇宙」だったらたぶん見に来なかったかもしれない。
このタイトルがやたら気になったので、チケットを取ったのだった。
「宇宙みそ汁」というのは、清中愛子さんという人が書いた詩集らしい。
演劇として上演するにあたって、何かを書き加えたとかは全くなく、
清中さんとの会話や、詩集以外の日記、エピソードなどなどを
舞台として構成しなおしただけらしい。
坂手さんも言っていたけれど、詩集である時点で、すでに演劇的らしい。
ただ詩集の言葉をセリフとして読んでるだけかもしれないけれど、
十分演劇的で、十分物語があって、イメージがある。
語られる話は、清中さんの私小説的な生活の情景なんだと思う。
詩集的にキレイでも、高尚でも、かっこいいわけでもない。
ボロアパートに住んで、近隣住民とのイヤなやり取りすらあって、
さらには、浮気で離婚して、造船所で油まみれになって働いて・・・。
そんな、どちらかといえば、かなり暗いストーリーのようなのに、
なんだかすごく言葉がキレイなのだ。
飾り立てたような言葉でもなく、カッコつけた言葉でもないのに、
すごくシンプルで、素直で、ちょっとユーモアすらあって、愛がある。
ムダがなくて、なんだかすごくキラキラしているカンジがしたのだ。
・・・ストーリーがキラキラしているわけでもないし、
希望に溢れてるような話でもないのに、なんでなんだろう。
すごく不思議な世界だった。
清中さんのストーリーとは別に、
クジラの話や水の話なんかのショートストーリーもあった。
# こっちをまとめて「無秩序の小さな水のコメディー」としていたらしい。
こっちは坂手さんが書かれたストーリーなのだろう。
クジラが出てくる話は、なんだかすごく切なくて、愛おしい話だったし、
利き水の話は、すごく愛にあふれた話だった。
両方とも、地雷だったり、放射能汚染だったりと、
いろんな問題をとりあげた話だったけれど、きちんと物語があった。
こういう問題をとりあげた話は、最近よく見るけれど、
怒りが強すぎたり、絶望が強すぎたりして、見ててしんどい時もあるけれど、
ただの世間批判じゃない、物語としてきちんとストーリーがあったので、
見ててすごく心がホワっとしたし、切なくて、悲しくて、心に残った。
うーん、さすが、坂手洋二・・・。
いやー、観に来てほんと、よかったわ!いい舞台が見れた。
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