今回の文楽は、『祇園祭礼信仰記』と『桂川連理柵』という演目。
よく見たら、見事に京都の演目じゃないか。
ま、春だしねぇ~、春といえば京都らしいからねぇ~。
文楽劇場で、いつもの文楽友達A嬢と会って、客席に行くと、
前から8列目の真ん中、という結構いい席だった!
舞台天井からは、しだれ桜がズラーッと下がってて、めっちゃ春だ!
『祇園祭礼信仰記』は、歴史物だったらしい。
舞台は、金閣寺。そこに立てこもってる松永大膳という人。
もう、こいつが典型的な悪役なんだよ。
だって、将軍に反逆した上で、将軍の母を幽閉するし、
雪舟の孫娘である雪姫をさらってきて、自分と結婚しろって、迫るし。
# 雪姫は結婚してるから、もちろん、夫は殺そうとする。
奇跡を起こす刀をたまたま見かけて、それを持ってた人を殺して奪うし、
# ちなみにこの殺された人は雪姫の父親だったりする。
まー、顔も怖そうな人形だ。明らかに”悪い人”の顔だ。
ここまで悪役らしいと清々しいくらいだ( ̄ー ̄)ニヤリッ
で、この雪姫ってのが、結構面白い。
夫を殺されないために、大膳の要求を飲もうとするのだけど、
自分の父親を殺したのも大膳だったもんだから、
刀を奪って、大膳に斬りかかったりする。
結構勇ましいのだけど、あっさり捕まって、桜の木に縛られちゃう。
ここからが、この場面の”見もの”らしい。
縛られてる雪姫の目の前に、殺されるために連行される夫。
夫を助けたい一心で、縄をとこうともがくのだけど、もちろん解けない。
そこで、散ってるさくらの花びらをかき集めて、そこに鼠を描くのよ。
その鼠が、実物として現れて縄を食いちぎってくれるのだ。
ここは、ほんと、エンターテイメントだなぁー!と思う。
なんだか、義経千本桜の狐でも思ったけど、こうゆうところはすごいわ。
それに、ずっと後ろ手に縛られてる姫が、もがく様がすごい。
両手を縛られてるから、表現にもいろいろ制限があるだろうに、
顔の動きだけで、必死さがにじみ出てくるんだもの。
あとで調べてみると、この雪姫、文楽で有名な”三姫”の1つらしい。
やっぱり、両手を縛られた上での表現は、難しいんだろうねぇ。
それに、此下東吉(いわゆる秀吉)が潜入したりするのだけど、
将軍の母を助けるために、金閣寺によじ登っていくんだよね。
そのさまを、金閣寺自体が下に動くことで表現したり、
将軍の母を助け下ろすときに、竹にくくりつけて放り投げたりするのだ。
・・・さすが、人形( ̄ー ̄)ニヤリッ
歴史物、とはいえ、かなりなエンターテイメント性があったわー。
次の話『桂川連理柵』は、心中物だった。
今までもいろいろと心中物は見てきたけど、
これはこれで、なんだかすごく悲しい心中物だった。
たいてい心中する男女は、お互いに惚れあって、という理由があるけど、
この話の心中では、意外にそれが原因じゃなかったりする。
男は男なりの理由があり、女は女なりの理由があったりして、
そこに、微妙に前世がからんでいるような伏線もあったりして、
なかなか複雑で、すごく悲しいストーリーだった。
地名も、六角堂から、誓願寺、お店が押小路柳馬場にあったりして、
もちろん心中する先は、桂川だ。
・・・・鴨川じゃなくて、桂川なんだねぇ。
文楽って、結構関西が舞台になってる所も多いから、
そういうのは、地理的なところがよくわかって、面白さが倍増する気がする。
いやー、ええ話やったなぁ。
文楽終わりは、A嬢と焼鳥を食べつつ、いろいろしゃべって解散した。
次回公演では、なんと、『曽根崎心中』をするらしい!
『心中天の網島』はやってたけど、曽根崎はやってなかったんだよね。
これは見に行かないとね!
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