久々の文楽。
といっても、毎公演観に行ってるから久しぶりってわけでもないけど。
今回は、夏に一緒に公演をした劇団の子達2人を誘った。
もちろん、いつもの文楽仲間A嬢がチケットを取ってくれた。
今回も16:00~文楽劇場で、3本の演目を観た。
とある藩のお姫様(12~13歳)が、江戸へ嫁に行くことになった。
老中が迎えに来ても、乳母がいろいろ説得しても、
「江戸なんて行きたくない~」の一点張りで、困り果ててる。
そこへ、馬を引く少年が東海道双六をやっていることを知った人たちが、
その少年を呼んで、お姫様と一緒にみんなで双六をやるのだ。
双六のお陰で、お姫様はあっさり「江戸も面白いかも~」と行く気になる。
・・・という前半のお話なのだけど、
まずは、老中が全身真っ赤な衣装を着たおじいちゃんであることに驚く。
・・・還暦(以上)なわけですね。還暦の人がかぶる帽子もかぶってるし。
めっちゃ派手派手やなぁ~( ̄ー ̄)ニヤリッ
それに、あんなにあらゆる説得を試みても承知しなかったお姫様が、
双六のおかげでころっと行く気になるのも、幼さ満開で可愛かった。
・・・といっても、この題目の本筋は、後半にある。
「重の井子別れの段」という有名なシーンらしいのだけど、
実は、この馬を引く子供が、乳母の実の子どもだということがわかるのだ。
ま、この後を書くと結構長いのではしょるけど、
実の親子だということがわかってから、
子供は、自分と一緒に暮らして欲しいと泣いてすがるんだけど、
乳母は、なんで子供と別れなきゃいけなかったのか、とか、
一緒に暮らすことも、親子として名乗りをあげることもできない理由とかを
今までの経緯も含めて、涙ながらに伝える。
だけど、子供は全然納得しないんだよね・・・。
お姫様は結構あっさり単純なんだけど、この子供は結構強情だったんだな。
後半はかなり涙涙なシーンなのだけど、
どうもこの強情っぷりにちょっとイラっときてしまったよ。
ま、仕方ないんだろうけどなぁ。
前の舞台も双六なら、次の舞台も双六だった。
# といっても、前の舞台みたいに双六をマジでするわけじゃないんだけどね。
文楽って、1本のストーリーを全部することはあまりない。
全部のストーリーをやるのは、通し狂言ぐらいかなぁ。
たいていは、ストーリーの中から有名なシーンを抜粋でやるかんじなのだ。
だいたいその前後のストーリーは、チラシにかいてあるので、
そのあたりを、あらすじとして抑えておけば、なんとなく話はわかる。
だけど、この話はちょっとわかりづらかった・・・。
だいたい抜粋でやるときでも、ちゃんと主人公がでてくるところをやるけど、
今回の話は、主人公は出てこなくて、その主人公の嫁とその父親が出てくる。
この親子が、ある日、とある商人(男性)と知り合いになるのだけど、
実は、この商人は、子供の時に養子に出した息子だった!・・・という話。
・・・また親子( ̄ー ̄)ニヤリッ・・・そして題名も双六。
今回のコンセプトは”親子”と”双六”なのかね。
ま、それだけじゃなく、ここに敵討ちとかが絡んできて、
親子なのに・・・という悲しい物語になっていくのだけど、
主人公がでない分、なんとなく全体のストーリーがしっくりこなくて、
やっと最後のほうで、あー、なるほどー、と思えた。
最後の話は、すごく舞台がキレイだった。
平維茂が紅葉ざかりの山を通りかかると、お姫様が紅葉狩りをしていた。
はじめはさっさと帰ろうかと思っていたのに、
お姫様に、一緒に紅葉狩りしましょうと誘われて渋々付き合う。
紅葉狩りしつつ、お酒を飲んで、いい気分で眠っているときに、
山の神さんが出てきて”アブナイからはよ帰り!”と言って去っていく。
結局は、この姫さんは鬼で、平維茂と戦う、という話なのだけど、
この話も結構ツッコミどころがあって面白かった。
紅葉満載の舞台は、いかにも秋らしい舞台なのだけど、
この山の神さんがちょっとおかしかったのだ。
でっかい杖を持ってて、結構大層に山の上から出てくるんだけど、
寝ている平維茂を、肩を揺すって起こそうとするのよ。
その揺すり方も、そーっとゆさゆさってかんじで、
そんなんで起きるわけないやろっ!というレベル。
・・・杖でバシーンとたたき起こすのかと思ったんだけど。
そして起きない平維茂をそのままにして、
“アブナイで~”と言いつつ、たたたーっと後ろ向きに走っていく。
・・・意外におちゃめな感じの神様だった。
でも、鬼との戦いはすごく綺麗な場面で、迫力があったんだけどね。
季節モノの娯楽作品、というかんじがしたよ。
文楽を見終わってからは、一緒に観に行った女子1人と、
文楽仲間A嬢と3人で、なんばのイタリアンな海鮮居酒屋に行った。
いつも前を通るたびに気になってたbene pesce(難波店)というお店。
小さい店だったけど、結構本格的でどれも美味しかったし、
ワイン系のカクテルも面白いのがあって、いい店だった。
はー、面白かったし楽しかったー。
次の文楽は来年の新春公演だな。正月から始まるやつだ。
次は何を見ようかなぁ~。
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