芸術センター近くにあった町家風のカフェに入ってみた。
細い急な階段を上がって2Fに行くと、まるいちゃぶ台と座布団。
まるで家の座敷のように、えらく落ち着くカンジだった。
そこで、ワインなんかを飲みながらディナーのコースを頼んだ。
かぶの冷製スープや、はものテリーヌ、
ピクルスの入ったポテトサラダに、もっちもちのパン。
これが意外にも美味しくて、本格的で、結構満足。
だけど、最後のパエリアが来る前に、18:30を過ぎてしまった。
開演時間は19:00。
このまま待っても無理だと思ったので、店の人に相談してみたら、
なんと、そのまま置いといてあげる、と行ってくれたので、
狂言を観た後また戻ってくることにした。
芸術センターに入ると、すでに客席には人がいっぱい。
真ん中も少しは残っていたけど、前から4~5列目の椅子よりは、
一番前の上手端がいいだろうということで、一番前に着席。
そして、狂言を観た。
茂山千五郎家の狂言を生で見るのは初めてかな。
1作目は、わかぎゑふさんの書いた新作狂言。
とある女医さんに診察してもらいたいがために仮病を使っていたら、
それに気づいた友人が、女医の師匠と偽って、いたずらを仕掛ける。
話はすごく簡単で、すぐにオチがわかるほどのストーリーだったけど、
わかぎゑふさんらしく、女性らしくて、かなり現代劇っぽい話だった。
動きでも、セリフでも、狂言というよりは現代劇だったし、
普通にツッコミしたり、パントマイムっぽい動きをしたりしていたし。
2作目は、古典の狂言「口真似」。
主人から”美味しいお酒をもらったけど、ひとりで飲むのも味気ないから、
だれか楽しくて面白い人を呼んできてくれ”と言われた太郎冠者が、
とある人を呼んでくる。
太郎冠者が給仕するのが心配だった主人は、
“しばらくは私の口真似をしなさい”というのだけど、
主人の指示から、注意から何から何まですべて真似をする太郎冠者。
“真似するんじゃない”といっても”真似するんじゃない”という。
そのまま、主人に怒られても、その怒られた言語をそのまま真似して、
客人にその言葉を言ったりする。
もう、どこまでいくねん、的で、めちゃめちゃおもしろかった!
なんだか、昔からあるような話だけど、王道らしく、面白かった。
そして最後が、土田英生さんが書いた『鮒ずしの憂鬱』。
もう、登場人物だけでもおもしろい。
鮒ずし、丁稚ようかん、近江牛、ひきわり納豆、くさや。
しかも、みんな頭に「鮒ずし」とか書いてある冠をかぶってるの!
まるで学芸会的なカンジね。
服も、色や雰囲気、みんなぴったりで、めっちゃ笑う。
出てきただけで笑っちゃう。出オチだね( ̄ー ̄)ニヤリッ
鮒ずしって、たしかに、匂いがきつくて、なかなか受け入れられない。
名産だけれど、匂いゆえに今の時代は売れなくなってきてる。
それが悩みのタネの鮒ずしだから、憂鬱なんだけどね、
追い打ちをかけられるように、丁稚ようかんと近江牛が、
“臭すぎて売れないから、名産の看板下ろせ!”とか言われちゃう。
さらに落ち込んでいるときに、ひきわり納豆とくさやがやってきて、
匂いがアイデンティティじゃないか、なんて励ましたりするんだよね。
世界中にある匂いがえげつない名産を並べたりして。
最終的には、自信を取り戻した鮒ずしとひきわり納豆とくさやで、
近江牛と丁稚ようかんをやりこめておしまいになる。
もう、やりとりがいちいちめっちゃ面白くて、ずっとゲラゲラ笑ってた。
一番前で涙ながして笑ってたのは私だ( ̄ー ̄)ニヤリッ
狂言も、文楽と同じように、なんだか言葉が難しくて、
すっと理解できづらいんじゃないかと思っていたけれど、
全然そんなことはなくて、もう、めちゃめちゃ面白かった!
狂言を見終わってから、またカフェに戻ってきて、
ワインの続きとパエリアを食べて、大満足で帰ってきた。
はー、面白かったし、楽しかったー。
来月にも狂言を見に行く予定だから、すごく楽しみだわ!
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