今日は仕事終わりに日本橋へダッシュ!
くじら企画の、大竹野正典追悼公演第三夜『山の声』を観に行った。
大竹野さんの追悼公演は、第一夜の『サラサーテの盤』を観た。
『サラサーテの盤』も、実在の人物を描いた作品だったけど、
『山の声』も実在の人物を描いた作品だった。
OMS戯曲賞を受賞した作品で、大竹野さんの遺作となった作品だった。
19:00過ぎに劇場に行くと、小さいロビーには人がいっぱいいて、
すごくたくさんの人たちが、開場を待っていた。
開場してからもどんどん人が入っていて、客席は満員になっていた。
いろいろなところで観たことのある役者さんや、スタッフさんもいっぱい。
みんな、大竹野さんに会いに来たのかな、と思った。
『山の声』という作品は、
実在の人物”加藤文太郎”という登山家を描いた作品で、
加藤文太郎が遭難した、槍ヶ岳での最後の時を描いていた。
猛吹雪に閉ざされ、非難しているところで、
一緒にパーティーを組んで登山していた吉田富久と過ごす時間。
吹雪がごーごーと吹きすさみ、寒さに震え、
手足は凍り付き、外では風がうなっている。
だけど、山に魅せられた二人の熱さのようなモノがふと見える。
人間を越える”自然”に魅せられた人たちの思いと、まなざしは、
なんだか、すごく、キレイで、まっすぐで、うやらましくもあった。
『サラサーテの盤』でも主人公をしていた戎屋海老さんは、
今回の加藤文太郎を演じていたけれど、
この人の愚直そうで、不器用そうで、まっすぐな主人公は、
なんだかすごくグッと来る。
大竹野さんが描きたかった人は、こういう人なんだろうなぁと思った。
大竹野さんの追悼公演は、コレで最後。
第三夜のうち、第一夜と第三夜しか見れなかったけれど、
見れてよかったと思う。
大竹野さんの芝居は、もちろん、大竹野さんが作り上げたモノだ。
一言、二言ぐらいしかお話したことはなかったけれど、
楽しくて、あったかい人だったようだ。
そんな大竹野さんが作った芝居は、どんな芝居でもやっぱり暖かかった。
今日の芝居でも、吹雪の凍りつく寒さを描いた芝居であっても、
やっぱり暖かい空気にまとわれていたと思う。
こんなにたくさんの人が、観に来てくれる大竹野さんの芝居は、
これからもきっと演じられていくんだろうなぁと思う。
演じていって欲しいなぁと思う。
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