soul of souls

エンタメだぁ

今日は文楽を観に行く予定だった。
早めに家を出て、歩いて劇場まで行こうと思ってたけど、
ウダウダしてたら間に合わなくなって、電車で行った。
今は、夏休み文楽特別公演の期間なので、
いつものような午前と午後の2本立てじゃなく、
午前、午後、夜の3本立てで公演している。
今回観に行くのは、午後にやる『夏祭浪花鑑』を観に行った。


昔、平成中村座の海外公演で、『夏祭浪花鑑』をやっていて、
その舞台中継をNHKでやっていたことがあった。
たまたまその舞台中継をちらっと見ていて、
なんとなく”親殺し”の話だ、というのは知っていた。
だけど、どんな話なのかは全然知らなかったので、
今回すごく楽しみにしていたのだ。

実際見てみると、ほんと、骨太な話だった!
だけど、恋愛がらみの話は、あいかわらずツッコミどころ満載だ。
主人公(?)のボンボンで、磯之丞という若者がいるのだけど、
この若者と恋仲なのが、傾城琴浦という女郎。
だけど、傾城琴浦に横恋慕してる侍が、琴浦を奪おう奪おうと、
いろいろ磯之丞のところに仕掛けに来るんだよね。
そこに磯之丞を守る役目の三人衆がいるのだ。
この三人衆がやたら強いんだわ。
んで、ばったばったと敵を倒しているというかんじなんだよね。

だけどね、この磯之丞。めっちゃ浮気するんだよね!
ちょっと丁稚奉公してた店の一人娘とできちゃって、
その一人娘を連れて帰ってきたりするの。
そうしたら、琴浦がもちろん怒るじゃん。
すると、”上げ膳据え膳なのに手を出さないのは男じゃない”
とかいうのよ!すげー言い訳!すげー逆ギレ!
・・・てか、コレって文楽じゃない?
文楽の時代の言い訳も、現代の言い訳もおなじじゃないか。
かわってないのねー、男ってやつわぁ。

そして、メインの”親殺し”になっていくのだけど、
親を殺すのは磯之丞じゃない。
その守り役のひとり、団七という人。
この舅がすげー悪いヤツでさ!
団七が守ってる磯之丞を謀って金をだましとったり、
琴浦を連れ去って、言い寄ってる侍に渡して金に換えようとする。
そこで、団七は舅と言い争いになったりするんだけど、
この舅がもう、すごく悪い人なのよね。

普通の勧善懲悪の物語なら、悪い人=舅はやっつけられて終わり、
なんだけど、この話はそうじゃない。
いくら舅が悪い人でも、舅は親だ、ということで、
団七は舅を殺そうとはしない。めっちゃ我慢する。
舅にコケにされても、無理難題言われても、グッと我慢するのだ。
親殺しをした罪人の嫁子は罪人を竹鋸でひかなきゃいけない、
という掟があったみたい。
だからこそ、親殺しの罪は、すごく重い罪だったようだ。
だからだろうけど、ものすごくグッと我慢する。
だけど、ふとした瞬間に、団七は覚悟してしまう。

文楽って、ひとりの義太夫さんが声を変えていろんな人を演じるけど、
このシーンは、二人で掛け合いをしながら演じていく。
その耐える団七の演技がすごくて。
もう、吸い寄せられるようなすごい気迫と、演技だった。
さらに、実際に舅を殺していく場面になると、ほとんどセリフが無くなる。
背景に流れる祭り太鼓の音と、刀の効果音としてつかう拍子木だけ。
あとはずっと人形だけの動きで表現していく。
ここはここで、人形遣いさんの見せ場のようで、すごかった!

人を殺すと言うこと。
しかも、親を殺すと言うこと。
そのことに対する感情の動きがものすごかった。
現代では、こんな感情の動きをするような人がいるんだろうか、
とちょっと考えさせられたような話だった。

もちろん、人形の動きはいつもの通り綿密で、細かいのだけど、
ものすごいエンターテイメントさと、骨太さがあって、
いつもよりもまして、演技力が必要だと思ったし、迫力がすごかった。
ホントに面白い話だった。はー、濃密な4時間だったー。
そりゃ、歌舞伎になるだろうし、名作になるんだなぁ、と思った。
コレはホントに観に来て良かった!もう一回見たいぐらいだ。
ぜひ、いろんな人に見て欲しい文楽、芝居だと思う。
今度は歌舞伎で見たいなー。

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Dieser Beitrag wurde am 日曜日, 18. 7月 2010 um 23:30 Uhr veröffentlicht und wurde unter der Kategorie Play abgelegt. Du kannst die Kommentare zu diesen Eintrag durch den RSS-Feed verfolgen. Du hast die Möglichkeit einen Kommentar zu hinterlassen.

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あいかわらず、カッコイイ正面だ。祝!芸術監督就任!これからいっぱいきてくれるかなー。いま、満開なのは大きいツツジ!白に、濃いピンク、淡いピンク。ハチも大忙し。毎年恒例の天神さーん。真っ赤。霧島ツツジはもうそろそろ終わりかなー。今さらだけど、関帝廟の門!めっちゃいい天気やったから、青空に映えるわー。シープリンセスだって!ビルみてぇ!海鮮おこげ!

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